あまり考えたくないことですが、一旦飛行機に搭乗したものの、体調不良や止むに止まれない事情で飛行機を降りることはできるのでしょうか。
また、降りた後、機内ではどのようなことが発生し、実際に降りた乗客へのフォローはどうなるのでしょうか。
不幸にも(?)実際にこのような経験した知人(同僚)の例を紹介します。
降りた後、危険物の捜索が行われる
搭乗後に降機できるのかといえば、それは問題なし。ドアクローズ前であれば、飛行機を降りることができます。知人のケースは体調不良による降機でした。
「あとは、頼む・・・」と言って知人は降りて行きました。
さて、問題は知人が降りた後の機内での出来事です。
知人の荷物と同じ棚に格納されていた全ての荷物に対して、持ち主の捜索が行われたのです。安全確認のためです。
当然、知人は悪い人ではありません(笑)。ですから、機内に危険物などを持ち込むはずはありません。ですが、万が一を想定し、危険物を機内に残置していないか確認していました。
知人の荷物と同じ棚に格納されていた全ての荷物は、
・知人が危険物を持ち込んで放置した
もしくは
・知人が他の乗客の荷物に危険物を隠した
可能性を考慮して、安全が確認されます。
今回、知人は預け入れ手荷物はありませんでしたが、仮に預けていた場合は「お客様と手荷物は同一便に搭載されること」の原則で、飛行機下部の格納庫から荷下ろしが発生していたことでしょう。
【この原則については、次の記事をご覧ください】
出発ゲート付近で行われる搭乗客の大捜索。万が一搭乗しない場合はどうなるのか。 - Spice Up Your Life
チケットは搭乗していないものとして扱われる
さて、機内異常無しと認められれば飛行機は出発します。気になるのことは知人のチケットは使用済みになるのかどうかということ。結論としては、搭乗していないものとして払い戻されたとのことです。
払い戻されたことは、キャンセル可能な運賃であったことが影響していると思います。
飛行機のオペレーションは最悪のケースを想定。安全管理の観点から学ぶことがありました。
飛行機事故は一度起きれば甚大な被害が想定されるため、各社は安全対策に力を入れています。
今回の航空会社の対応は、危険物持ち込みという最悪のケースを想定した対応。私自身、この危機管理の姿勢には学ぶことがありました。
今回の対応で特に印象に残っていることは、CAの迅速な対応。降機した知人への対応をしつつ、別のCAが素早く安全確認を実施。特段戸惑うことなく、各CAが着々と任務を遂行していたことが印象に残っています。
想定外のことが起きれば統制が乱れてしまうものですが、この時はそのようなことは起きませんでした。おそらく、普段から訓練をしており「想定内」だったのでしょう。
CAというとサービス要員としての側面が注目されがちですが、保安要員としての存在にももっとスポットが当てられると良いですね。