まだ気が早いかもしれませんが、あと1カ月もすれば職場に新入社員が入ってきます。我が社は小規模ですから、入ってきても数人程度。ただ、企業規模に比べると出張が多い職場です。
このような環境ですから、当社の新入社員はほどなくして飛行機を使った出張を経験することになります。法人利用のエアラインであればJALかANAかの二択です。そして、ここで選択した航空会社が仕事のみならずプライベートでも贔屓にするエアラインになることが多いと感じています。
今回の記事では、新入社員がこれからお付き合いするエアラインについて、考えてみたいと思います。
JALとANA、選択の基準
まずはじめに、JALとANAを選択する上での条件を考えてみましょう。個人客としてではなく、法人客としての立場から違いを考えます。
まずはじめに大前提となるのが、
の2つでしょう。主要な都市であれば、JAL、ANAに殆ど違いはありません。
ただ、どちらかにしか就航していない都市への出張が想定されているのであれば、自ずと選択するエアラインは絞られてきます。
会社の先輩はJAL派、ANA派?
意外と大きな要素なのが、会社の先輩の派閥(JALかANAかということ)です。
殆どの場合、初めての出張では先輩社員と同行するはずです。ということは、飛行機も同じエアラインを利用するはずです。
仮に新入社員が学生時代から贔屓しているエアラインがあったとしても、ここで先輩に逆らうのは得策ではありません。
同調圧力という話では無く、同行者と異なるエアラインにするのは結構不便が多いからです。特に不便なのは、
でしょう。
大きな空港では、JALとANAとで到着ロビーが異なることが殆どですし、なにより全く同時刻に到着するということはありえません。
先輩を待たせる訳には行かないでしょうから、新入社員は早めに出発すると思います。その場合、最低でも現地で20分程度は待つ事になることは覚悟しておいた方が良いと思います。
便数が多くない空港の場合、JALとANAの到着時刻がけっこうずれていることも多々ありますから、その場合はさらに待ち時間が延びることになりますね。
同行者と別便にするなんて、新人には意外と大変なはずです。
この選択が、今後のエアラインを決める事に?
結局、自分では決められないJALかANA。
「JALは破綻した上に国の救済を受けてるからけしからん」、とか「ANAは機内誌持ち帰ろうとCAに相談したら、シートポケットのものを持ち帰れってなって新しい機内誌くれない気の利かないやつ」、とか思っても個人の思いなんて関係ありません。
個人の希望はさておき、社会人としてのファーストエアラインが今後長く付き合うエアラインになることは多いはずです。ビジネスだけでなく、プライベートでも。
この理由は、官公庁でもない限りマイルの私的利用を認めている法人が多いことは間違いありません。このことは航空会社もよくわかっていて、ビジネス客囲い込み要素の1つになっています。
ただ、これと同じくらい大きな理由は、上級会員の先輩の存在でしょう。
初のラウンジ体験は衝撃的だった
私自身の経験で大変恐縮ですが、入社して程なく出張した時のことを紹介します。
この出張では初めてJALサクララウンジを経験することになったのですが、この時の衝撃は今でも覚えています。
上級会員である先輩に連れられ向かった先はJGCチェックインカウンター。保安検査場も素早く通過できるし、ラウンジに入ってみたらビール飲み放題という光景を目の当たりにし、当時は本当に驚きました。
そんな特別待遇のおこぼれを預かっているうちに、私はJALに取り込まれていったのです。仮の話ですが、もし先輩社員がANA派であったのならば、私もANA派だったでしょうね。
新社会人が選ぶエアラインは結局成り行き
新社会人は自分でエアラインを選べません。先輩に言われた方を使います。要は成り行きです。
ですが、この理由は航空会社にとっては馬鹿にできません。今後も長く利用してくれる若くて、しかも割高な法人料金を支払ってくれる顧客が手に入るのですから。
実はJALはそこのところを良く理解していて、JALオンライン(法人向けの予約システム)を初めて使う人(=新入社員)に紹介すると紹介者にJALマイルをプレゼントします、なんてキャンペーンをやっていたこともありました。
(2017年4月3日追記:今年もやっぱりキャンペーンが始まりました)
やはり始まったJAL囲い込み施策「JALオンライン」ご紹介ボーナスマイルキャンペーン - Spice Up Your Life
航空会社にとって、新社会人は宝の山。航空会社は彼らを取り込むために会社の先輩まで使って近づいてきます。親切にしてくれた先輩社員は既に航空会社の手に落ちていた、なんてこともあるかもしれませんね。