最近、めっきり飛行機に搭乗しなくなった私。別に飛行機が嫌いになったわけではありません。ただ、搭乗する機会が思うようにやってこないだけ。もちろん、エアラインには興味があるので、情報収集はしています。
今回は飛行機の離陸と着陸の際に聞こえてくる「ウィーン」という音について調べてみました。飛行機好きの方にとっては常識かも知れませんが、もし良ければお付き合いください。
あの音はフラップの音
離陸時や着陸時に聞こえるウィーンという音はフラップの音です。決して、車輪の出し入れの音ではありません。私は長い間、車輪の出し入れの音だと思っていました。だって、床下から聞こえるので・・・。
フラップとは何か
フラップとは、飛行速度が遅い時でも飛行機を支える揚力を維持する装置のことです。
上の写真は着陸時の主翼の様子。赤枠部分がフラップです。
そして、こちらが同じ飛行機の通常の運航時の様子です。フラップは格納されていますね。
フラップは飛行速度が遅い離着陸時でも、墜落しないように必要な揚力(上昇する力)を得るために必要なものです。ですから、十分な速度が得られている時はフラップを格納しているのですね。
そして、離着陸時にウィーンという音がするのは、このフラップの出し入れの音です。ちなみに、離陸時にこの音が複数回するのは、一気にフラップを引き上げるとフラップが壊れてしまう可能性があるため。
フラップは大きくて重い上、飛行速度の二乗に比例する風圧を受けています。このため、失速しない速度を維持しながらフラップを何回かに分けて上げていくのです。
離陸後、上昇中なのに少し降下しているような気がするのもフラップが原因
ところで、飛行機の離陸直後、上昇中にもかかわらず一瞬降下したように感じる時がありませんか?これもフラップが関係しています。
フラップを上げることのできる速度まで上昇するために、機首を下げるのです。この機首を下げる時に一瞬、降下したように感じるわけです。
今まで不思議に思っていましたが、調べて見ると納得ですね。
今回の記事で参考にした書籍
今回の記事を執筆するにあたって参考にした書籍を紹介します。
カラー図解でわかるジェット旅客機の操縦 エアバス機とボーイング機の違いは?自動着陸機能はどういうしくみなの? (サイエンス・アイ新書)
(Amazonへのリンク)
この本は、少し専門用語が多いですが飛行機の離陸から着陸までの一連の流れを豊富な図を使って解説しています。
今回記事にしたフラップのこと以外にも、飛行機に多頻度乗る人ほど、本当に楽しめる内容が豊富な解説本です。例えば、
- 滑走路内で停止してから一気に飛び立つスタンディング・テイクオフという方法と、誘導路から滑走路内に侵入したあと、そのまま出力を上げて飛び立つローリング・テイクオフという2つの離陸方法の解説
- エアバスとボーイングとの設計思想の違い
等が紹介されています。
単に乗るだけでなく、飛行機の運航技術や仕組みを理解してフライトするのも飛行機の楽しみ方の1つですね。