先日、JAL国際線アップグレード特典の制度変更が発表されました。いわゆる改悪となります。
JALマイレージバンク - JAL国際線アップグレード特典
改悪ということは、つまり必要マイル数の増加ということです。その他にも少し制度の変更があるのですが、ここでは必要マイル数の増加について取り上げてみます。
必要マイル数の増加
以前、アップグレード特典のお得感が2015年の特典航空券改悪で大きくなったことを伝えました。今回、このアップグレード特典のお得度にメスが入った形です。
【以前の記事】
JAL特典航空券の改悪について考える
人気の路線を例にとると、以下のように必要マイル数が増加しています。
エコノミークラスからビジネスクラスへのアップグレード必要マイル数(片道)
|
2016年8月31日まで |
2016年9月1日以降 |
ヨーロッパ |
27,500 |
33,000 |
ハワイ |
20,000 |
25,000 |
往復ないし二人分のアップグレードを考えると、なかなか大きなインパクトがありますね。
国際線特典航空券と比較すると妥当
2015年の国際線特典航空券の改悪により、アップグレード特典が相対的にお得になりました。いつかメスが入ると思っていましたが、やはり来たな、というのが素直なところです。
今までがアンバランスでしたので、特典航空券とアップグレード特典間のお得感で調整が入ることは時間の問題だったのかもしれません。
この急激な制度変更の救済措置なのか、2017年3月31日までという制限はあるものの、一般会員向けのアップグレードディスカントキャンペーンが実施されます。ハワイやニューヨークなどの路線は対象外ですが、それ以外の路線では現在の必要マイル数より少ないマイルでアップグレードできるようなります。条件があえばお得なキャンペーンですね。
もちろん、上級会員向けのアップグレードディスカウントキャンペーンは一般向けのものよりかなりの割引率となっています。一般向けのキャンペーンがあるからといって、上級会員の優遇がなくなるわけではありません。
JALは法人向けのエアラインになる
それにしてもここ一連の改悪は、一般ユーザーにとって影響の大きいものばかりです。一方、多頻度搭乗するユーザーにとっては比較的ダメージは少ないと言えるかもしれません。体力のない一般会員が特典航空券やアップグレード特典を断念していくのですから、上級会員にとってはかえって良くなったと考えられなくもありません。
マイル環境の悪化に耐えられるのは大量のマイルを保持している上級会員なのです。
マイレージプログラムは顧客の囲い込みを目的にしていますから、割高な運賃で飛行機を利用する出張族をマイルで優遇して囲い込むのは自然な流れです。そもそも上級会員になるような人は殆どが法人利用のはずです。そのような事情を考えると、JALは法人向けのエアラインに変化してきていると言う事ができそうです。